カクレカラクリ [森博嗣]
この作品は,某清涼飲料水メーカーがスポンサーとなって,
森博嗣作品を初めてTV映像化されたらしい.
と言うよりは,ドラマのために作られたという話も聞いている.
確かに,原作本の中に,その清涼飲料水が出てきている.
今,mixiのコミュを覗いたら,かなり酷評もあるようである.
確かに,原作の方が,
「カラクリ」もスケールが大きく面白いし,
どんでん返しも面白い.
タイトルにも納得できる.
しかし,主要4人物のキャラクター設定は,
TVドラマの方が明確で一般受けしてよかった.
TV映像化にあたって,
原作の「カラクリ」を利用することが無理だったとは思えない.
たぶん,脚本家か監督が「カラクリ」や
森作品の特徴を理解できなかったのであろう.
森作品では,
最後になっても謎を全てをクリアにしない傾向がある.
つまり,多くののミステリーで見受けられる,
いわゆる探偵役が,最後に客観的視点から見たように,
全ての謎解きをするのではなく,
探偵役の視点からみて分からない事は分からないままなのである.
直近に読んだ「λに歯がない」とは異なり,
ミステリィ?そのものを楽しめた作品であった.
TVドラマの方は,「カラクリ」を矮小化しすぎだと思う.
某清涼飲料水メーカーは大企業なのだから,
あそこまで矮小化しすぎると,
かえって企業イメージのダウンになるのではないかと思うが・・・
この作品については意見を交換をしたいところであるが,
近くに森作品に詳しい人がいないのが残念である.
カクレカラクリ—An Automation in Long Sleep 森 博嗣 (2006/08) メディアファクトリー この商品の詳細を見る |
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