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カクレカラクリ [森博嗣]

 この作品は,某清涼飲料水メーカーがスポンサーとなって,
森博嗣作品を初めてTV映像化されたらしい.
と言うよりは,ドラマのために作られたという話も聞いている.
確かに,原作本の中に,その清涼飲料水が出てきている.

今,mixiのコミュを覗いたら,かなり酷評もあるようである.

確かに,原作の方が,
「カラクリ」もスケールが大きく面白いし,
どんでん返しも面白い.
タイトルにも納得できる.

しかし,主要4人物のキャラクター設定は,
TVドラマの方が明確で一般受けしてよかった.

TV映像化にあたって,
原作の「カラクリ」を利用することが無理だったとは思えない.
たぶん,脚本家か監督が「カラクリ」や
森作品の特徴を理解できなかったのであろう.

森作品では,
最後になっても謎を全てをクリアにしない傾向がある.
つまり,多くののミステリーで見受けられる,
いわゆる探偵役が,最後に客観的視点から見たように,
全ての謎解きをするのではなく,
探偵役の視点からみて分からない事は分からないままなのである.

直近に読んだ「λに歯がない」とは異なり,
ミステリィ?そのものを楽しめた作品であった.

TVドラマの方は,「カラクリ」を矮小化しすぎだと思う.
某清涼飲料水メーカーは大企業なのだから,
あそこまで矮小化しすぎると,
かえって企業イメージのダウンになるのではないかと思うが・・・

 この作品については意見を交換をしたいところであるが,
近くに森作品に詳しい人がいないのが残念である.

カクレカラクリ—An Automation in Long Sleep カクレカラクリ—An Automation in Long Sleep
森 博嗣 (2006/08)
メディアファクトリー
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λに歯がない [森博嗣]

 久しぶりに読書をした.
ちなみに,この前に読んだのも森博嗣博士の「四季 春」だった.
これは,まだ「本棚」にはUpしていない.

 本書を読むきっかけは,新聞広告である.
その新聞広告で,「萌絵が過去・・・」と書かれていたので,
読んでしまったのである.
ひょっとしたら,石橋 敲,西之園萌絵のファンなのかもしれない.

 トリックは,建築が専門でない石橋 敲としては面白かった.
本文中に,刑事コロンボシリーズのトリックを連想させる文もあった.
「死」について,哲学的に少々考えたような気もした.
しかし,これまでGシリーズを1冊も読んでいなかったためか,
単独のミステリーとしては,
トリックを徐々に明らかになっていくという
面白味に少々欠ける気がした.

どちらかと言うと,
「萌絵の成長」や「今後のGシリーズへの伏線?」が
メインのような感じがした.

最後の方が読みとばし気味だったせいか,
どうして「λ」なのかは,まだ理解していない.
もう1度読まないといけない・・・

λに歯がない λに歯がない
森 博嗣 (2006/09/06)
講談社
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封印再度 WHO INSIDE [森博嗣]

封印再度  WHO INSIDE(森 博嗣,講談社文庫,Mar/2000)

 購入から1ヶ月かかって本書を読んだ.
これは,ここ1ヶ月ほど体調が悪く,読む気力と体力がなかったためだ.
本書を読んだ事で,森 博嗣博士のS&Mシリーズは全て読んだ事になる.

 まず,S&Mシリーズを読むにあたって本書から始める事をお勧めしない.
本書は,独立したミステリーとしては,構成のバランスが悪すぎると思う.
その理由は,S&Mシリーズの主人公である
犀川創平助教授と西之園萌絵嬢との関係の記述が多いからである.
また,シリーズの他の作品を読んでいないと,
よく理解できないところもあるような気がした.

 しかし,トリック?に使われている物理法則はシンプルで面白いし,
シリーズの一部分として考えるならば,かなり楽しめた.
作者がやや読者サービス過剰な気もするが・・・

 ただ,トリックの説明の部分は文章だけでは理解が難しいところがあるので,
邪道かもしれないが,図をつけてもらえると助かる.

封印再度―WHO INSIDE 


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まどろみ消去 MISSING UNDER THE MISTLETOE [森博嗣]

 まどろみ消去 MISSING UNDER THE MISTLETOE(森 博嗣,講談社文庫,July/2000)

 本来なら,この週末は別の書籍を読んでいる予定だった.詳細は別途.
数日前,頼んでいた雑誌のバックナンバーを受け取るため
駅前の書店行ったついでに本書を買い求めた.
本書を選んだ理由は,知っている作家だったのと,短編集だったからだ.
先週末に体調不良になり,知らない作家の長編を読む気がしなかったのだ.

 本書は,森 博嗣博士の短編集である.
11の短編が収録されている.
面白いものもあったし,よく理解できないものもあった.
しかし,この評価は石橋 敲,オリジナルなのかもしれない.
この短編集に限らず,森作品を読んでいて,
理解できない部分に出会うことがしばしばある.
これは,作者・森 博嗣と読者・石橋 敲それぞれのバックグラウンドの
オーバーラップの希薄さに起因していると考える.
例えば,「心の法則」という短編は全く理解できなかった.
「純白の女」と「キシマ先生の静かな生活」は
書かれていることは分かったものの,
何故その短編が存在するのかが分からなかった.
森博士の真意が理解できなかったのである.
これは石橋 敲がかなり荒っぽい読み方をしており,
読み返しをしない事に起因しているのかも知れない.

一方,面白く感じたのは,
「やさしい恋人へ僕から」,「誰もいなくなった」,「真夜中の悲鳴」である.
「真夜中の悲鳴」は,博士課程の学生が主人公であり,
徹夜実験をしているので身近に感じた事もある.
「誰もいなくなった」は,森作品の有名人物が最後に出てきて,
作品中で誰も解けなかったミステリーを
いとも簡単に解いてしまったのが小気味いい.
この作品中で,登場人物である女子大学生が,
同級生(♀)が10歳以上年上の助教授に首ったけであることを,
「親友の趣味を疑う」と書いていることには笑った.
まぁ,石橋 敲,学生と結婚した助手を何人か知っている.
年齢差までは知らないけど.

まどろみ消去―MISSING UNDER THE MISTLETOE


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君の夢 僕の思考 You will dream while I think [森博嗣]

君の夢 僕の思考 You will dream while I think (森博嗣,PHP文庫,June / 2005)

 この本は,今年の誕生日に
前職の「なにわ大学(仮名)」のポスドク時代からの友人である
mayuさんからプレゼントされたものである.

 本書は,本書の最初のページに書かれているように,
PHPの木南氏が森作品などから引用文を拾い,
森博嗣博士が写真と短いメッセージをつけたものである.

 本書は,一言で言えば,森作品の一瞬を切り取って,
絵葉書にしたような感じがする.

 森作品は「理系ミステリー」と呼ばれているが,
その呼称は正しくなく,「自然哲学ミステリー」というべきであろうと思う.
作品の中に,哲学的で詩的な文が散りばめられているからである.

 しかし,石橋 敲は,まだ,
最初のS&Mシリーズと呼ばれている10巻中9巻しか読んでいないのだが,
森博士の自然哲学感には共感する点が多いものの,
違和感を感じる点も少なくない.
 それは,数学者に近い森博嗣博士の分野と,
錬金術師に近い石橋 敲の分野の違いからきているのかもしれない.
 森博士の自然哲学感に反論しようにも,
石橋 敲,博士(理学)を持ってはいるが,
自然哲学など学んだ事がないので,反論できずにいる.

 

君の夢僕の思考―You will dream while I think  PHPからソフトカバーの単行本も出ているようである.


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