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4th/Jan./2007 [日記帳]

 今日で年末年始休暇も終わりである.
明日からハードな日々がまた始まるのである.

 実は,石橋 敲,昨年末,
危うく日本化学会をクビになりそうであった.
これは,今の会社に転職した時に住所変更をしたのであるが,
その際に年会費の自動引き落としが解除されてしまったのである.
その事に気付かず,届いた年会費の振込用紙を無視していたら,
昨年末,いきなり

”過去2年分の年会費を支払わないと除籍にするぞ!
除籍になったら再入会はできないよ〜”

という封書が届いたのだ.
そう言えば,最近,
日本化学会誌である「化学と工業」が届いていなかった事を
思い出した.

まぁ,最近は,応用物理学会の方に顔を出すことが多いので,
特に日本化学会の会員を続ける必要は全くないのであるが,
一応,「ぐうたら化学者」と名乗っている以上,
日本化学会の会費を納める事にした.
ちなみに,ノーベル化学賞受賞者である田中耕一氏[1]は
受賞当時は日本化学会員ではなかったと聞いている.

 久しぶりに「化学と工業」の2006年12月号を読んでいると
面白い事が書いてあった.
「水は言葉を理解する」という主張に対して,
化学者が「ニセ科学」に関して厳しい非難をしているようなのだ.
「水は言葉を理解する」事の実験根拠として,
「ありがとう」と書いた紙が貼ってある容器の水と
「ばかやろう」と書いた紙が貼ってある容器の水では,
氷の結晶の形やカルシウムイオン濃度が異なるという事が
挙げられている.
その実験事実には,
言葉から連想する善悪のいづれかである事も
関係しているようである.

この件に関しては,田崎晴明氏の
”「水からの伝言」を信じないでください”
http://www.gakushuin.ac.jp/~881791/fs/
がよくまとまっているようである.

 新しい科学的発見の真偽の判断は極めて難しい。
例えば,「ガリレオ裁判(地動説)」が挙げられるであろう.
また,アインシュタインは相対性理論で有名であるが,
ノーベル物理学賞の受賞理由に相対性理論は挙げられていない.
これは,当時,相対性理論を正しく評価出来なかったためという説がある.

しかし,石橋 敲は,
「水は言葉を理解する」は明らかにニセ科学であると思う.
なぜなら,例えば「あっぱ」という単語.
これは,いわゆる共通語ではないが,
福井などでは「大便」の意味で用いられ,
津軽などでは「母親」の意味で用いられる.
つまり,
1つの言葉が全く異なる意味を持っているのであるから,
単語だけを示したのでは,
どちらの意味であるかは分からないのである.
また,全ての単語が善悪いづれかに属するというものでもない.

それよりも何よりも,
上記の実験事実は再現性があるのだろうか?
”再現性がある”というのは,
”異なる実験者が,異なる場所で,同じ実験をして同じ結果が得られる”
という事である.

立証責任の所在が1つの焦点になっているようであるが,
それより前に,
再現実験するだけの実験条件が明記されているか?
再現実験をして同じ結果が得られるか?
が重要であろう.
再現性がないのであれば,
現代科学で取り上げる価値はないのである.

この件については,もう少しちゃんと調べて,
昔の「愚痴」みたいな形にしようかと思ったが,
ちゃんと調べられなかった(調べなかった)ので,
昔の「備忘録」に相当する「日記」としてUpした.

 水は確かに日常生活で馴染み深い物質ではあるが,
科学的にはいろいろと厄介な物質である.

「水」が絡んでいたので,
上記の「化学と工業」の記事には,
やはり山形大学の天羽優子助教授のコメントが掲載されていた.
天羽助教授は,「水商売ウォッチング」
http://atom11.phys.ocha.ac.jp/wwatch/intro.html
で非常に有名である.

[1] 田中氏は,東北大学から名誉博士号を授与されている.
これまで博士号保持者と分かっている人物に関しては,
○×博士という表現をしてきたが,
田中氏が,ノーベル賞受賞式会場で,敬称を
「ドクター」でなく「ミスター」を使うよう申し出たことから,
今回,「ミスター」に相当すると思われる「氏」を使用した.


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